岩松了@RAILWAYS

映画・テレビ

 ネットで、映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語(2010年作品/主演:中井貴一)」と「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(2011年作品/主演:三浦友和)」を観た。

 両作品とも主人公の半生を「鉄道に乗った長い旅=RAILWAYS」に例えたまでで、鉄道そのものには関係のないサブタイトルを描いた社会派娯楽映画。後者は主人公が鉄道マン(運転士)でなく、他の職業でも脚本次第で成立する映画だ。そして、ストーリーも演者も異なるので、両作品の比較はできないのだか、後者で印象に残ったシーンがあった。

 亭主関白の滝島徹(三浦友和)と妻の佐和子(余貴美子)。佐和子は滝島との結婚を機に看護師を辞めて専業主婦になった。そして、定年間近の滝島に佐和子が、また看護師として働くことに決めたことを告げると滝島はそれを認めず、ふたりは口論になり佐和子は家を出て行ってしまう。

 そんな別居中に滝島は休暇を利用して、退職した先輩の吉原満(米倉斉加年)、同僚の島村洋二(岩松了)のふたりと温泉旅行へ行く。

<部屋飲み中、酩酊した滝島と島村の会話>
滝島:島村、突然かみさんが家を出て行くと言ったらどうする?
島村:どうしたの?
滝島:ん?例えばの話だ。
島村:理由によるっちゃ・・・俺が悪かったら謝る。
滝島:相手が悪かったら?
島村:俺に原因がなかったか考える。
滝島:(鼻で笑う)

 もし、わたしが滝島に同じ質問をされたら、
「自分が悪ければ謝るが、相手が悪いのなら、まず謝って貰いたい。喧嘩両成敗であることは重々承知しているが、相手が悪いのに自分に原因があるかなんて考えるのはその後のことだ」
 と、答えることだろう。

 しかし、島村はどちらが悪かろうと、お互いに非があることを言っているのである。わたしは、相手が悪かろうと自分にも原因があるのではないかと考える島村に、ちょっと素敵な大人に思えてしまったのである。そして、滝島と佐和子が別居中であることを薄々感じていて、滝島への助言だったとしたら、
「島村さん、あんた亭主の鏡だよ」
 と、褒め称えたくなる。

 さて、Wikipediaでは島村役を演じた岩松了のイメージを『おもにシュールなボケ役をこなし…』と記しているが、わたしの岩松了に対するイメージは、シュールではあるがボケ役ではなく、強面の役・クセのある役・嫌われ役のイメージの方が強く、このような役者は中年以降になるとユニークな味のある役が似合う。

 悪役やアウトロー役が多かった、綿引勝彦、國村隼、不破万作、遠藤憲一、先日亡くなった大杉漣などが同じようなタイプだ。島村役を岩松了が演じたから、わたしはこのシーンが印象に残ったのだと思う。

 なお、岩松了は役者(俳優)の他に、劇作家、演出家、映画監督も生業としている。
(-。-)y-゜゜゜