酢豚にパイナップル

飲食

 酢豚の食材として、パイナップルを入れる派と入れない派に分かれると思うが、わたしは入れる派だ。しかし、パイナップルが入っていないからと言って、顔を曇らせたり、眉間にシワを寄せたり、文句を言ったり、逆上して酢豚の皿を放り投げるようなことはない。

 パイナップルは、豚肉を柔らかくするために入れると言われている。パイナップルの中に含まれるタンパク質分解酵素のプロメラインが、タンパク質を柔らかくする働きをするからだ。しかし、パイナップルは60℃以上に加熱するとこの働きが失われる。

 よって、酢豚を作るときにパイナップルを有効利用するには、酢豚を油で揚げる前の下ごしらえのときに豚肉とパイナップルを漬け込むか、酢豚が完成して皿に盛る直前にパイナップルを投入することになる。なお、パイナップル缶は、すでに加熱処理されているので意味がない。

 因みに、酢豚にパイナップルを入れるようになったのは、豚肉を柔らかくするためではなく、高級感を演出するためだったようだ。

パイナップルは清の時代に、まだ高級な食材だったことを踏まえ欧米人の居留地にあるレストランなどで使用され始めたものである。
(出典:酢豚@Wikipedia

 酢豚を食べていて、口の中が満遍なく粘っこく酢豚味一色に染められ、味が単調に感じたときに、日本料理の箸休め(お吸い物、茶碗蒸し、酢の物、和え物などの小品料理)のように、あの甘酸っぱいパイナップルの味で一息入れたい。寿司だったらガリ、カレーライスだったら福神漬けやらっきょう、うな重だったら奈良漬け、回鍋肉だったらザーサイみたいなものかな。

 パイナップルを入れる派と入れない派の比率は3:7で、年々入れない派が増えているようだ。“酢豚ップル” が消えるのは時間の問題かも知れない。
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